分業する事により全体としては生産性が向上するのだがそれを担う個々人は一面的になってしまうわけで個人としては問題を抱える事になるともいえる
そこで全体の部分としてではなく総体の契機としての個人
つまりそれ自体でも総体であるようなより完成した個人として体系の主体的契機になるという発展の道が目指される事になる
それがエニアグラムに於る統合の方向だろう
それぞれが「存在」「人」「観念」的である性格タイプが
その一面性を克服し
3→6→9→3
「存在」のタイプ3は「人」のタイプ6をへて「観念」のタイプ9へ
6→9→3→6
9→3→6→9
8→2→4→1→7→5→8
タイプ8「存在」第一「観念」第二は欠けている「人」タイプ2へ
7→5→8→2→4→1→7
タイプ7「存在」第一「人」第二は「観念」タイプ5へ
2→4→1→7→5→8→2
タイプ2「人」第一「存在」第二は「観念」タイプ4へ
1→7→5→8→2→4→1
タイプ1「人」第一「観念」第二は「存在」タイプ7へ
5→8→2→4→1→7→5
タイプ5「観念」第一「人」第二は「存在」タイプ8へ
4→1→7→5→8→2→4
タイプ4「観念」第一「存在」第二は「人」タイプ1へ
分裂の方向は足りない契機を補うのではなく
既にある契機により偏って行く、一例を挙げれば
8→5
タイプ8「存在」第一「観念」第二は
タイプ5の「観念」第一と重複し過剰になり
「人」的な側面は弱いままと云う事で
また根源的性格タイプ369の場合には起源からの発展の方向に沿わず
逆行してしまうという事だろう
付記)
Direction of Disintegration
Direction of Integration
Don Richard Riso and Russ Hudson『Understanding the Enneagram』
分裂の方向
統合の方向
ドン・リチャード・リソ『性格タイプの分析』
は
Reacting to Stress(ストレスに反応する)
The Path of Integration(統合の道)
Don Richard Riso and Russ Hudson『The Wisdom of The Enneagram』
13頁
「統合と分裂の方向」は現在、「成長とストレスの方向」と呼ばれていることについても、
ということらしい。私には『性格タイプの分析』が最も合っていてその他の本は補助的に読んでいるので余り意識していなかったが。そしてまだまだ分裂の方向と統合の方向が広く通用している。一旦定着した基礎的用語を改称するのは容易ではない。また『新版 エニアグラム【基礎編】 自分を知る9つのタイプ』は一冊の『The Wisdom of The Enneagram』が分厚くなり過ぎるという出版上の理由でもう一冊の『エニアグラム【実践編】人生を変える9つのタイプ活用法』とに分かれていてその都合から再構成されていて原文に当たることが直ぐには出来ない。そのようなこともあって余り読み込んでいないのだがそれでも、46頁の第二章古代のルーツと現代の研究の章の中でクラウディオ・ナランホ Claudio Naranjo が「特定のタイプないしは精神医学的に分類された人々を集め、インタービューをして、類似点に焦点を合わせたり、さらなる情報を引き出す「パネル」方式です。たとえば彼は、グループの中で強迫神経症的傾向をもつ人々すべてを集め、彼らの反応がどのようにタイプ1の説明に当てはまるかを観察しました」という方法を採用していたことを教えてくれたり(どうりでそれぞれの性格タイプの規定が真に迫っているわけである)第三章本質と性格の章でエニアグラムに於ては性格は実は第一義的なものとはされておらずスピリチュアルな存在である人間がtransformしEssential nature(最も核心的な持ち前の本性)が自ずから発現するといったことが強調されていてエニアグラムはニューエイジの時代精神の一現象であることが良く分かったりと興味深い本ではある。