hyoutau’s blog

エニアグラム/ドン・リチャード・リソ 助言/中嶋真澄 対人関係

中嶋真澄『エニアグラム 性格と本質』

2023年11月13日刊 中嶋真澄『エニアグラム 性格と本質』英智

 

総体は総体そのものからの展開。それら総体が総体そのものへ帰る。我々の生活過程は帰っているのである。我々にとっては始まりであるかのような事柄が実は終わりで終わりであるかのような帰る先こそが本当の始まり。
〈第3章 自分のタイプを見つける〉
117頁〈コラム プロティノスの「一者」の流出説〉参照

 

343頁“著者はライフワークの仕上げとして、合同会社パーソナリティ研究所を設立し〜エニアグラムを体系的に学べる講座を開催することに”
〈あとがき〉

この本に於る終わり実は始まりはここ。ここに帰ってくる。ここが措定した始まりは(実は終わりは)

16頁“学生時代の専攻が哲学であったことからも、わたしは心理学よりはともすると哲学書のほうに興味を惹かれました〜そのような時期に、わたしはまだ出会っていなかった「何か」を探しに書店に”
17頁“『性格のタイプ』ドン・リチャード・リソ〜これが探し求めていたものだ〜この本の中にわたしがいる”
〈第1章 エニアグラムとは何か〉
〈筆者とエニアグラムとの出会い〉

ヴィトゲンシュタインと批判哲学を研究していた人には
15頁“当時、筆者はフリーランスのライターとして〜編集者が求めているもの、また、読者が期待しているものは“
との矛盾があった

18頁“『性格のタイプ』の著者であるドン・リチャード・リソ先生が来日〜直接エニアグラムを学び、トレーニングを受ける機会を“

 

154頁“道は常にあるわけではない。ある特定の時期に現れ、一人の人間が成長していくときに、それが人類全体にも影響し、地球全体も進化していく“
〈第4章 本能・感情・思考 3つのセンターの機能〉
〈コラム グルジェフと第4の道 〉

 

281頁“自分で復讐せず、神の怒りに任せなさい〜復讐はわたしのすること、わたしが復讐すると主は言われる〜わたしはこの言葉によって〜洗礼を受けるところへと導かれました”
282頁“これらの言葉は、わたしにとって心の大きな転換点(メタノイア)となったのでした”
〈第7章 9つの性格タイプについての考察〉
〈タイプ8 エネルギッシュでアグレッシブな人々〉
〈コラム 怒りと無邪気さと「復讐自我」〉

メタノイア Metanoia 回心 悔い改め 不信者から信者への変化

 

335頁“エニアグラムはそんなに大勢の人のために使えるようなものではありません〜教えることで収入を得ようと〜お金が目的に〜個人の成長というところで誠実によびかけて〜100人の中に1人ぐらいいればいいかも〜本来スピリチュアルな成長のため〜それを忘れちゃうと”(理辺良保行教授)
〈補遺 インタビュー記事 クラウディオ・ナランホをめぐって〉
〈5グループワークの意義 お互いの成長のために〉

 

338頁“エニアグラムが本来、「いまここ」の体験から気づきを深めることであることを体験的に理解するにつれ〜マインドフルネス・コンパッション・ヨーガなどの実践を、エニアグラムワークの中に取り入れることになりました”
〈補遺 インタビュー記事 クラウディオ・ナランホをめぐって〉〈補足〉

mindfulness compassion yoga

心とからだをいたわるヨーガ

マインドフルネス
mindfulness
自分の身に今起きていることに意識を集中させて、自分の感情・思考・感覚を冷静に認識して、現実を受け入れること

コンパッション
compassion
共感

 

“著者略歴〜プライベートではシングルマザーとして一人娘を育てる。20代後半からジム通いを続け、40代で易占を学び、占いスクールで周易入門の講座を持つ。50代からヨーガを始め、全米ヨガアライアンス200を取得“

RYT200
Registerd Yoga Teacher
全米ヨガアライアンス認定ヨガインストラクター資格
Yoga Alliance

 

312頁“9つの性格タイプを入り口としてわたしたちが向かう先は、持って生まれた自分自身の本質を見出し、本来の自分とのつながりを回復するということにあります“
〈第8章 性格から本質へ 固着と聖なるアイデア

 

回復する帰る我々は進んでいるのではなく帰っている。その途上での総括でその帰る先総体そのもの本質への歩みの始まり(本当は本質から最も離れているのでその意味では終わり)はどこ何であったか。哲学専攻の修士である人がフリーライターやPR会社での仕事に真の自己を見出すことはできなかった。そこで出会ったのがドン・リチャード・リソ『性格のタイプ』エニアグラム。そして復讐自我から悔い改めをへて現在はヨーガや瞑想やマインドフルネスも取り入れたエニアグラムアソシエイト養成講座を開設。今現在の一人ひとりの成長が人類全体地球全体の進化にも繋がるかもしれないと、しかし真にエニアグラムを生かせる人は100人の中に1人ぐらいか、との理辺良保行教授の言も。

アソシエイトは仲間という意味~エニアグラムの知恵は、先にそれを学んだ人が次の人に「伝えていく」もの~「口伝」つまり直接に伝えられていくものなのです。エニアグラムは本で読んだ知識だけでは理解できません

 

補遺)

27頁“ナランホは現代心理学、精神医学の専門家〜エニアグラムと現代心理学、精神医学との接点は、クラウディオ・ナランホによってもたらされた〜『性格と神経症』Character and Neurosis: An Integrative View の中で、彼自身の心理学や精神医学についての豊富な知識と臨床経験に基づいて、エニアグラムの9つの性格タイプを他の性格類型論や精神医学の理論と比較しながら考察を行なっています”
28頁“ナランホはそのころ心理学の分野での主流となってきていた性格の特性論よりも、類型論のほうが経験的にきわめて妥当であるという見解を示しています。一般に心理学者の間では、類型論は科学的でないという批判がありますが、ナランホは因子分析という方法を用いて、性格の特性を明らかにしようとした英国のハンス・アイゼンクや米国のレイモンド・キャテルの論文も研究していました。だからこそ、「類型論のほうが経験的にきわめて妥当だ」というナランホの見解には、説得力があります”
〈第1章 エニアグラムとは何か〉
〈クラウディオ・ナランホとエニアグラム

Claudio Naranjo
24 November 1932 – 12 July 2019 aged 86

Hans Eysenck
4 March 1916 – 4 September 1997 aged 81

Raymond Cattell
20 March 1905 – 2 February 1998 aged 92
Factor analysis

“特性論は相対評価で比較し、類型論は絶対評価でカテゴリーに分類します”
“特性論 後天的に身に着けたパーソナリティに主眼が”
“類型論 先天的なキャラクターに主眼が”

web.archive.org

 

41頁“エニアグラムの9タイプは、ユングの8類型に重なるところもありますが、そうでないところもあります。MBTIとエニアグラムのタイプに関しても、重なる部分はあるが、そうでない部分もあると言わざるを得ません。もともと、類型化のもとになっている指標が違っているのですから、ぴったり一致するはずもなく、エニアグラムへの理解を深めるためには、あえて自己診断などで両者を比較することにはそれほど意味があるとも思えません”
〈第2章 性格の類型と性格類型論としてのエニアグラム 性格とは何か〉
〈性格の類型 人をタイプに分ける試み〉
ユングの類型論〉


326頁“フィクセーション(固着)というものは、頭で分かったつもりでいても、そこから本当に自由になっていなければ、なおさら大変なことになってしまいます。例えば、エニアグラムを取り扱っている人たちが〜なぜ分裂していくのか〜日本でも分裂が起きていますね”
327頁“たぶん早すぎるのです。十分に消化していない〜どのタイプにしろ、そのタイプが抱えているフィクセーションは大変やっかいなもの〜ところが、そのフィクセーションを抱えたまま、自分をよく分かっていないままに、やっているのはないか〜一応エニアグラムの理論を学んでいれば、理論は指導できるでしょう。でもそれ以上はできないのです。中にはエニアグラムを権威にする人が出てきたりして、誰が本物を持っているかといった権威の競争のように〜そうすると、真の知恵は伝わりません”
329頁“ファシリテーターに関しては、この人はエニアグラムを知ることによって、相手を殺さない人になっていくかどうか、この人を世に出すことによって、世の中が良くなるか悪くなるかということが問われます”(理辺良保行教授)
〈補遺 インタビュー記事 クラウディオ・ナランホをめぐって〉
〈3イチャーソのエニアグラム エニアグラム本来の目的について〉